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Writing / AIエージェント

N° 05

CodexでGPT-5.6を使う方法|Sol・Terra・Lunaの違いとおすすめの選び方

Codex CLIをGPT-5.6対応版へ更新し、Sol・Terra・Lunaを切り替える方法を解説します。モデルと推論レベルを分けて考え、品質、速度、使用量、人間の手戻りを同一条件で比較する方法と、タスク別の実務的な選定基準を示します。

CodexでGPT-5.6を使うとき、最も重要なのは「一番強いモデルはどれか」だけではありません。タスクの曖昧さ、失敗した場合の影響、待ち時間、使用量、人間が修正に費やす時間まで含めて選ぶ必要があります。

GPT-5.6にはSol、Terra、Lunaの3モデルがあります。公式の位置づけは、Solが複雑でオープンエンドな作業、Terraが日常業務、Lunaが明確で反復可能な作業です。さらに、モデルとは独立して推論レベルを変更できます。

この記事では、Codex CLIでの導入方法、モデルと推論レベルの違い、再現可能な比較方法、タスク別の選定基準を順に解説します。なお、元データとなる実測結果は提供されていないため、数値を創作せず、検証前の仮説と測定手順を明確に分けます。

GPT-5.6のSol・Terra・Lunaとは

3モデルを単純な性能順として扱うと、必要以上に高コストなモデルを選びがちです。実務では「何が難しいか」だけでなく、「失敗を見逃した場合の損失」を考えます。

モデル

公式の位置づけ

向いている作業

GPT-5.6 Sol

フラッグシップ

曖昧で複雑な変更、初見調査、設計判断

GPT-5.6 Terra

能力・速度・コストのバランス型

日常的な実装、調査、リファクタリング

GPT-5.6 Luna

最速かつ最も低コスト

条件が明確な修正、変換、分類、大量処理

この整理はCodexのモデルガイドに基づきます。公式は、迷った場合はSolから始めるよう案内しています。一方、継続的な開発では、Terraを通常設定にして、曖昧さやリスクが高い場合だけSolへ上げる運用も検証する価値があります。

GPT-5.6 Sol

SolはGPT-5.6シリーズのフラッグシップです。要件が完全には決まっていない機能開発、複数の制約を伴う設計、広いコードベースの調査など、分析と判断が品質を左右する仕事に向きます。

たとえば、認証方式の移行、データ整合性に関わる変更、障害原因が複数レイヤーにまたがる調査では、失敗後の手戻りが大きくなります。このような仕事では、Solの追加コストよりも、見落としを減らす価値が上回る可能性があります。

GPT-5.6 Terra

Terraは、能力、速度、使用量のバランスを重視するモデルです。APIの追加、既存機能の修正、テスト作成、通常規模のリファクタリングなど、日々の開発作業の第一候補になります。

公式は、GPT-5.5で処理していた仕事の自然な移行先としてもTerraを挙げています。チームの標準モデルを決めるなら、Terraを基準にし、明確な定型作業はLuna、高リスクな仕事はSolへ切り替える運用が比較しやすいでしょう。

GPT-5.6 Luna

LunaはGPT-5.6シリーズで最速かつ最も低コストです。終了条件が明確で、結果をテストやスキーマで機械的に確認できる仕事に適しています。

具体例は、型の一括変換、定型コードの生成、分類、構造化された要約、仕様が固定された小さな修正です。ただし、プロンプトが短いからLuna向きとは限りません。短くても原因が不明な障害調査や、セキュリティ上重要な変更には、TerraまたはSolが適します。

CodexでGPT-5.6を使うための準備

Codex CLIのバージョンを確認する

GPT-5.6をCodexで利用するには、Codex CLI 0.144.0以上が必要です。まず現在のバージョンを確認します。

bash
codex --version

最低バージョンへ固定する特別な理由がなければ、最新の安定版へ更新する方が、モデルカタログやCLIの修正も取り込めます。

Codex CLIを更新する

npmでグローバルインストールしている場合は、次のコマンドで更新できます。

bash
npm install -g @openai/codex@latest
codex --version

別の方法で導入している場合は、そのパッケージマネージャーに対応する更新方法を使用してください。

利用プランを確認する

OpenAI Help Centerが示すCodexでの提供範囲は次のとおりです。

プラン

Codexで利用できるGPT-5.6

Free・Go

Terra

Plus・Pro

Sol・Terra・Luna

Business・Enterprise

Sol・Terra・Luna

提供は段階的に進むため、対象プランでも直ちに表示されない場合があります。管理対象ワークスペースでは、管理者の設定によって利用可能なモデルが制限されることもあります。

CodexのモデルをGPT-5.6へ変更する方法

起動時にモデルを指定する

--modelまたは短縮形の-mでモデルを指定できます。

bash
codex -m gpt-5.6-sol
codex -m gpt-5.6-terra
codex -m gpt-5.6-luna

非対話実行でも同じオプションを使用できます。

bash
codex exec -m gpt-5.6-terra "Review the current changes"

比較検証では、コマンドにモデル名を明示すると、設定ファイルの違いによる混乱を減らせます。

起動後にモデルを変更する

対話セッションでは、次を入力します。

plaintext
/model

表示された候補からモデルと推論レベルを選びます。変更後は次のコマンドで現在の状態を確認できます。

plaintext
/status

既存セッションの途中でも変更できますが、厳密に比較する場合はモデルごとに新しいセッションを開始してください。以前の会話やツール結果が残っていると、モデル以外の条件まで変わってしまいます。

デフォルトモデルを設定する

個人の共通設定は~/.codex/config.toml、信頼済みプロジェクトの設定はリポジトリ内の.codex/config.tomlへ記述できます。

plaintext
model = "gpt-5.6-terra"
model_reasoning_effort = "medium"

CLIフラグはプロジェクト設定やユーザー設定より優先されます。通常利用は設定ファイル、単発の切り替えや比較は-mと使い分けると管理しやすくなります。

Codexのレートカードでは、GPT-5.6のローカルタスクは利用できますが、Sol・Terra・Lunaのクラウドタスクは利用不可と記載されています。そのため、本記事の手順はローカルのCodex CLIを対象とします。

モデルと推論レベルは別々に選ぶ

Sol・Terra・Lunaはモデルの違いです。Low、Medium、High、Extra High、Maxなどは、モデルが回答前の分析や確認へ使う推論量の違いです。

推論レベル

主な用途

Low

小さく、終了条件が明確な修正

Medium

通常の実装、調査、テスト作成

High

複数ファイルの変更、難しい不具合

Extra High以上

多数の制約やトレードオフを伴う問題

高い推論レベルは複雑な作業の結果を改善し得ますが、一般に時間とトークンを多く使います。公式も、必要な結果が得られる最も低いレベルから始め、計画、分析、検証が必要な場合に引き上げる方針を推奨しています。

モデル比較では推論レベルを統一してください。Sol LowとTerra Highを比較しても、差がモデルによるものか推論量によるものか判断できません。まず全モデルをMediumで比較し、次に選ばれたモデル内で推論レベルを調整するのが分かりやすい進め方です。

Sol・Terra・Lunaを同じ条件で比較する

実測比較では、単純な実行時間より「人間の修正まで含む総時間」を重視します。高速に終わっても、レビュー後に何度も修正するなら、チーム全体では高コストです。

検証条件

各モデルで次の条件をそろえます。

  • 同じリポジトリとGitコミットから開始する
  • 毎回新しいセッションを作る
  • 同じプロンプトを使用する
  • 推論レベルをMediumへ統一する
  • 権限、ネットワーク、実行環境をそろえる
  • 同じテストと静的解析を実行する
  • モデル名を除く設定ファイルを固定する

偶然の成功や失敗を避けるには、同じ課題を複数回実行し、各試行の結果を残す必要があります。平均値だけでなく、失敗の種類とばらつきも確認します。

比較する5つのタスク

1. 単一ファイルのバグ修正

原因を特定できたか、不要な変更を加えていないか、回帰テストを含めてテストが通るかを確認します。終了条件が明確ならLunaまたはTerraで十分、というのが検証前の仮説です。

2. 複数ファイルのリファクタリング

依存関係、呼び出し元、公開インターフェースを追跡し、既存仕様を維持できたかを評価します。通常規模ならTerra、影響範囲が広く仕様も曖昧ならSolが有利と予想できます。

3. 初見リポジトリの調査

主要コンポーネント、データフロー、重要な設定、テスト戦略を説明させます。説明に具体的なファイルやコード上の根拠があるかも採点します。オープンエンドな調査ではSolが第一候補です。

4. テストコード生成

正常系だけでなく、境界値、異常系、回帰条件を含むかを確認します。実装をそのままなぞるだけのテストではなく、要件を検証できているかが重要です。通常はTerra、テーブル駆動テストの機械的追加ならLunaが候補です。

5. 設計レビュー

性能、運用、障害復旧、セキュリティ、移行方法まで検討できるかを評価します。単なる問題点の列挙ではなく、トレードオフと推奨案の根拠が必要です。高価値で曖昧な設計判断にはSolが向きます。

記録する指標

指標

確認方法

要件達成

受け入れ条件とテスト結果

実行時間

プロンプト送信から完了まで

使用量

Codexの表示または使用量画面

ツール実行

検索、コマンド、編集の回数

変更量

変更ファイル数と差分行数

手戻り

人間の指摘後に必要だった修正回数

コード品質

不要な変更、重複、複雑化の有無

根拠の質

指摘がコードやテストで裏づけられているか

公式レートカードの入力、キャッシュ入力、出力のクレジット単価は、Sol、Terra、Lunaでそれぞれおおむね1:0.5:0.2です。一方、ローカルタスク1メッセージの掲載値は約14、7、3クレジットで、実際の消費量はタスクやコンテキストによって変わります。固定料金のようには扱わないでください。

タスク別のおすすめモデル

実測前の選定マトリクスは次のとおりです。最終決定は、自分のリポジトリで得た成功率、使用量、レビュー工数によって更新してください。

タスク

第一候補

切り替え条件

小さなバグ修正

Luna

原因が不明ならTerra

日常的な実装

Terra

高リスクまたは曖昧ならSol

テスト生成

Terra

完全に定型的ならLuna

複数ファイル変更

Terra

影響範囲が広ければSol

初見リポジトリ調査

Sol

概要把握だけならTerra

設計レビュー

Sol

観点と判断基準が固定ならTerra

大量の定型処理

Luna

個別判断が必要ならTerra

判断の中心はタスクの見た目の複雑さではなく、失敗時の手戻りコストです。正解条件をテストで明確にできるならLuna、通常の開発ならTerra、要件が曖昧、影響範囲が広い、または誤りの損失が大きいならSolを選びます。

よくある質問

CodexでGPT-5.6が表示されないのはなぜですか

CLIが0.144.0未満、対象外のプラン、段階的ロールアウトの途中、別のアカウントでのログイン、組織管理者による制限が主な確認項目です。Free・GoではCodex上のTerraのみが対象です。

Codexのモデルは途中で変更できますか

/modelから変更し、/statusで確認できます。ただし、比較検証では会話コンテキストをそろえるため、新しいセッションを開始する方が適切です。

Solを常に使うのが最善ですか

公式は迷った場合の出発点としてSolを推奨しています。ただし、条件が明確な作業ではTerraやLunaの方が、待ち時間と使用量を含む総コストで合理的な場合があります。品質だけでなく、人間のレビューと修正まで測って判断してください。

まとめ

GPT-5.6を使うにはCodex CLI 0.144.0以上が必要です。起動時は-m、対話中は/modelでSol、Terra、Lunaを切り替えられます。

基本方針は、明確で反復可能な作業にはLuna、日常的な開発にはTerra、複雑で曖昧または失敗コストの大きな仕事にはSolです。モデル比較では推論レベルを統一し、速度だけでなく、要件達成率、使用量、レビュー、人間の手戻りを記録してください。

最適なモデルとは、単独で最も高性能なモデルではありません。必要な品質を満たしながら、チームが修正に費やす総時間を最小化できるモデルです。